週末、森で(著:益田ミリ)
「週末、森で」(著:益田ミリ)を読みました。
個人的に好きな作家の一人である益田ミリさんの最新作です。4コママンガではないものの4コマに割り振られた漫画となっています。
過去にもたくさんの関連著書を紹介済みですが、今回はその中でも「すーちゃん」系に近い内容となっています。
面白いことに、ゲストキャラクターのような形ですーちゃんも出てきたりしますので、すーちゃんファンにもぜひ見てもらいたい一冊です。
今回は、田舎暮らしを始めた人と、その友達にスポットを当てた内容となっています。
田舎に暮らしているものの、スローライフのような生活をするでもなく、都会にも若干未練を残しているものの、それでも森の中を歩き、さまざまな発見をする主人公。
一方、友達は、都会で仕事をする中で、さまざまなストレスを感じ、週末を利用して田舎住まいの人のところに遊びに行く。そのやり取りの中で、さまざまな考え方を知り、都会での暮らしに活かしていきます。
都会から来た時には必ずお土産を持っていくのですが、それをもらう時のセリフ、わかってらっしゃる、というのがツボです。
実際に存在するお土産ですので、ここに登場したものを一通り試してみたくもなります。
女性ならではの悪口発言もあるのですが、最終的にその発言を軸にして話を収めようとするところは、益田ミリさんの技のなせるものでしょうか。
登場人物も35歳辺りとアラサーやアラフォー世代に的を絞った内容盛りだくさんです。
最後はちょっとしたロマンスで締めくくる辺りは、そうした世代に希望を与える意味も込められているのでしょうか。
そして、最後の最後にある写真、これを見た時、涙腺が少し緩くなりました。
また、改めて最初のページから読んでみると、意味もないと思っていた絵に意味があったことを知り、益田ミリさんの作家性の高さを実感。
いい本でした。