専務島耕作 5巻 最終巻(著:弘兼憲史)

「専務島耕作 5巻」(著:弘兼憲史)を読みました。専務シリーズ最終巻となります。

ホワイトナイトとしてTOBをするかどうかで悩んでいる状況が描かれ、そして、それを先導した島耕作が社長になるかどうかという流れで話が進んでいきます。

既に新聞等の報道の通り、社長になることはわかっていたので、淡々と読み進めることに。

中には過去に社長を務めた勝木清春の臨終もあり、時代の移り変わりを感じさせます。

そうこうして話が進むうちに、最終話となるわけですが、最後の最後に最悪の状況に。

別にストーリーが最悪というわけではないのですが、最後の方に出てきた次の一文が、すべてをぶち壊すものとなっていました。

『そうだな……このマンガの作者が生きている限り続けてみようかな』(同著より)

一気に場が白ける発言を最後の最後に載せた作者の空気の読めなさに涙が出てきます。

せっかくここまで現実っぽさを出してきて描いてきたものが一気に漫画として認識させてしまうこの発言。これをやられると、たとえば島耕作社長就任会見などの仕掛けが台無しになると思うのだが。

まあ、とにもかくにも、とりあえずの終了です。そして今後の社長編、どのような展開になるのか、興味深いところです。少なくとも、今回のようなことはやめてもらえたらと。