他人を許せないサル(著:正高信男)

「他人を許せないサル IT世間につながれた現代人」(著:正高信男)を読みました。

ずいぶん前に購入し、積んでいた本ですが、比較的短めの内容だったために一気に読むことに。

「他人を許せないサル」はどういったものを指すのかというと、結局は人間ということなのでしょう。もう少し正確に言うのであれば、日本人といえなくもありません。

横並びでなければ許せない日本人の考えを、とくにIT関係に絡めながら語っています。インターネットだけでなく、携帯電話なども該当します。

個人的にはあまり人とのかかわりもなく、インターネットは使うもののSNSやメール、掲示板をまったくといっていいほど利用しませんので、言わんとしていることはわかるものの、実感に乏しいものがあります。

ですが、中高生とかでは学校裏サイトなどが流行っているように、人と同じでなければ貶されるなど、深刻な問題もはらんでいるのでしょう。

何か人が秀でたことをしようとすると足を引っ張る日本人ならではの行動を見るにつけ、この本の内容が理解できるかと思います。

人の足を引っ張っても、自分が上になることなんて少ないんですけどね。

また、村八分など、過去の隔離された空間で行われてきたいじめ問題にも触れており。

今では東京に出てくれば、ある意味他との関係は絶つことができるでしょう。地方で回りから不適切な扱いを受けているのであれば、いっそ、東京に出てくるのも良いかと思います。もっとも、東京に出たからといって、本人が東京で順応する力がなければ、結局はつらい日々を過ごすことになりますが。

核家族化などと叫ばれていて、それがさも悪いことのように言われることもありますが、不要な共同社会に参加しなくて済むという点ではメリットがあるのかもしれません。これが進んでいけば、日本人も次第に個人主義が当たり前になり、人の足を引っ張ることなく、自己責任の発想が強まるのかな、などと思ったり。

もっとも、現状の日本の状況だと自己中心的になるだけで、やっぱり人の足を引っ張る人しか生まれない可能性が高いでしょうが。