ソロスは警告する(著:ジョージ・ソロス、訳:徳川家広)

「ソロスは警告する 超バブル崩壊 悪夢のシナリオ」(著:ジョージ・ソロス、訳:徳川家広)を読みました。

米国での昨今のバブル崩壊をテーマにした本で、アメリカのジョージ・ソロスが書いた本です。

日本での発売は8月とか辺りだと思いますが、北米ではamazon.comを見る限り、5月に発売されたようです。

9月にリーマン・ブラザーズが破綻し、今現在の金融危機が起こっていることを考えると、早めにこの本を読んでいたのであれば、大きな損害は回避できたのではないかと、今さらながらに思います。

書かれていることは、現状の金融市場の状況や、今後起こりうることなどではありますが、それ以上にソロスが述べているが「再帰性」についてです。このワードはいたるところに出てきます。

具体的にどういった意味なのかは、著書の中の次の一文が分かりやすいかと思います。

『そもそも「再帰性」という言葉は、論理学の世界で「モノがそれ自体との間に持つ関係」を表すのに使われてきた。私はこの言葉を少し異なった意味──参加者の思考と、参加者がまさに参加している、ある状況との間の双方向的な関係を説明する言葉として使っている。』(「ソロスは警告する」より)

正直、何を言っているのか、何度読んでも忘れてしまう、そのような抽象的なものではありますが、これを理解するかしないかによって、この本を読む意味すらも変わってきてしまいます。

理解できていれば、言いたいことの大半は理解できるでしょうし、そうでないのであれば、うわべだけのバブルに関して書かれた本という捉え方しかできないでしょう。

もちろん、現在の金融市場のありようを知るというだけでも価値はありますが、どうせならより深く、時代を生きてきた人物の言葉に耳を傾けたいところです。

既に、そして今後、何らかの形で株であったり為替であったりの金融市場に関わっていく人であれば、一度読んでおいてもよいのではないでしょうか。

もっと早くに読んでいればと、悔やまれる一冊です。