大暴落1929(著:ジョン・k・ガルブレイス、訳:村井章子)
「大暴落1929」(著:ジョン・k・ガルブレイス、訳:村井章子)を読みました。
1929年のアメリカで起こったバブル崩壊に関する当時の様子やその後の経過などが書かれた本となっています。
初版は1954年で、50年を経た今でもこのように世に存在する内容となっています。
1929年の崩壊に至るまでの経緯から、実際の落ちてゆく状況、そして、その後どのような社会環境になっていったのかを知ることが可能です。
バブル崩壊と言えば、この2008年の今まさにその状況に直面しています。日本でも直近では1989年にバブル崩壊を経験していますし、もう少し手前で言うのであればITバブル崩壊などもあったりします。
しかし、これらの経験以上の出来事が世界規模で起こっているといっても良いのではないでしょうか。
そして、その後どうなるのかを考える上で、同じく今の状況に近いと思われる1929年の話を知っておく必要があるのではと思います。
発祥がアメリカだから似ている、という単純な話ではなく、それに至る経緯が近いものがあると感じられます。
バブルが成り立つ経緯を今知ったところで、もう戻ることはできませんが、今後どのように過ごしていくことになるのかは知っておいた方がいいでしょう。バブルが崩壊するとどのような世の中になっていくのか、覚悟を決める意味でも株式投資をしない人も含め、読んでおくとよいでしょう。
余談ではありますが、よく大暴落後に自殺者が急増したという話がありますが、この本の中ではそれは無かったのでは、という結論をデータとともに記してあります。
実際は大暴落が原因ではなく、大暴落によって景気が悪化し、その過程で自殺者が増えたようで、必ずしも大暴落イコール自殺ではないという話としています。
言葉の綾とも言えますが、一応正確性を求めるのであれば、知っておいてよい事実ではないでしょうか。