ブラック企業の闇(著:ムネカタスミト)

「ブラック企業の闇 それでもあなたは働きますか?」(著:ムネカタスミト)を読みました。

よく書店などに行くと、ブラック企業に関する本が並んでいたりするのですが、そもそもブラック企業とは何なのかわからず。なので、ちょっとだけ覗いてみると、ゲームに深いかかわりのある「セガ」という名前が載っており、買うことに。

ブラック企業とは何かとなると、人によって解釈が異なるようなのですが、概ね、待遇が悪く、給料も安いような会社を指します。

待遇とは、労働時間はもちろん、暴行等の扱い、いじめ等の精神的苦痛、不祥事などなど、さまざまなものが該当します。

ただ、人がブラック企業だといったからといって一概にその会社が悪いというわけでもないこともあり、たとえば能力重視のところで能力の低い人が薄給だからブラック企業だ、という反面、しっかりと稼げている人もいるなど、やはり人によって判断が分かれるところもあるそうです。

もっとも、ブラック企業と言われている企業には、やはり言われるだけのものもあるようで。

そうしたブラック企業の実態のようなものを実際の会社名を載せ、体験談等を交えて語っています。

先ほどのセガの話は隔離部屋やパソナルームなどと言った名称で呼ばれ、新聞テレビなどでも報じられた案件です。もう10年近く経つ話ですので、今のセガがどうこうというわけではありません。

また、アニメ業界についても取り上げており、4話目にして早くも総集編が流れた「キスダム」というアニメの状況なども載っています。

実例だけでなく、では、どうしたらそうしたブラック企業に勤めずに済むのか、外部からできるだけ判断できるような提案なども最後に掲載されており、大変ためになると思いました。

もし、ブラック企業に連続して努めて精神的に迷っている方などは、その部分だけでも読んでみるとよいかもしれません。

また、自らで会社を運営しているのであれば、自社を見直すための材料として、これから就職活動をしようとしているのであれば、関連する業界の実情を知る一つの資料として読むとよいでしょう。

個人的にためになった話としては、最後に少し掲載されていたホワイトカラーエグゼンプションの話です。今では「家族だんらん法」などと名前を変え、動いているようです。

その実体として、三角合併が解禁され、外国企業が日本企業を買収した際に、日本人を安く働かせるための方策として、アメリカ側から提案されている法案とのこと。

もともと日本の経営者は信用されていないため、そもそも受け入れにくい法案ではありますが、さらにこうした話を読むと、確かに認めがたいものもあるな、と。こう思うわけです。