企業が人を切りやすい体制に

クビにしやすい体制に、などというと、どこからともなく批判を受けるような気もしますが、現在の派遣切りなどを見ていると、結局は人を切るのが困難だから、派遣を雇わざるを得ないというのが経営者の本音でしょう。

まあ、消費税や年金などの社会保障費などの税金等の関係もあるわけですが。

仮に正社員で雇ったとして、その人が無能であっても、容易に切ることができません。

切ることができる条件というのがあるのですが、主に次の4点があるとのことです。ちなみに、これは経営状況によっての解雇で、社員自身の問題の場合はまた別になります。

1:整理解雇の必要性
2:整理解雇の回避努力
3:整理解雇対象者選択の合理性
4:整理解雇手順の合理性

ただ、こんなことをいちいち気にしていられる場合も無いでしょう。

役に立たないのであれば、やはり即座に切られるようにすべきです。企業としては対価を払って仕事をしてもらっているわけですから、その働きに満たない人を雇い続けること自体、そもそもおかしなことでしょう。

役に立たないから切る。この単純かつ明白な行動を取れるだけでも、企業としては人を雇う気になるものです。

切られる社員がかわいそうだ、となるかもしれませんが、その辺りは自助努力で頑張っていただくしかないでしょう。失業保険などもありますので、そうしたものを用いていけば、次の職探しまでの余裕はできるでしょうし。もちろん、現状のシステムでは不十分のため、さらなる改良を加える必要もあるでしょうが。

仮に明らかに仕事の量がおかしいとなれば、そうしたときに初めて労働組合などが活躍すればいいわけです。

最初から会社に養ってもらうこと最優先で働かれても正直迷惑でしょう。それは、企業としても迷惑ですし、周りで働いている人も迷惑かと。

逆に、役に立たない人は切られていく一方ですので、今まで仕事にありつけなかった人にもチャンスが訪れます。少なくとも努力し、学ぶ人であれば、仕事にありつけないなんてことはなくなります。

今、派遣と正社員との対立が、などとあおる人もいますが、それを無くすためにも、切りたいときに切れる、というごくごく当たり前の状況を作り出してはと思うわけです。

無能な正社員が減れば、有能な職無しの方も仕事ができるようになりますし、結果として企業としても有能な人材が集まり、より発展できるのではないでしょうか。

なら、無能だと職にありつけないのか、となるかもしれませんが、その辺りは企業が発展していく上で、そうした人にも仕事をしてもらうような状況は生じてくるでしょうから、一概に仕事ができなくなるというわけでもないと思います。

それだと安い賃金でこき使われると思うでしょうが、一応最低賃金制度があるため、生活は問題なくできるのではないでしょうか。このあたりは雇用形態によっても違ってきてしまいますが、法的なブレーキも当然必要となるでしょう。

人を気楽に切れないから派遣に頼ってきた現状を変えたいのであれば、最低限、クビにしやすい環境を整えることが、現状打破の鍵ではないかと、こう思うわけです。