サブプライム後の新世界経済(著:中原圭介)
「サブプライム後の新世界経済 10年先を読む経済予測力の磨き方」(著:中原圭介)を読みました。
比較的難しいことを読みやすく書いていることに好感が持てる著者でしたが、今回でそうした信頼感というのが消し去られたような気がします。
今回は、難しく書いている、とかではなく、書いている内容の一部に違和感を覚えるものがあります。
次のような記述がこの本の中にあります。
『アメリカ、さらにはカナダなどの大国を巻き込んで、ユーロに対抗しようとする大きなムーブメントが、ひょっとしたら起こるかもしれません。』(同著より)
この発言の何が違和感を覚えるかというと、自らが考えたかのような発言に思えますが既に海外では水面下でカナダなどと合意しているという話が出ているものであります。
たぶん、当人もそうした情報を見聞きしているとは思うのですが、それをさも自らが考えたかのように上述のように発言することに対し、違和感を感じるわけです。
普通に、動きがあるという話もあります、というような語り口調でしたらなんら問題はないのですが。
これでもし、実際にそういう話が出てきた時に、著者自身が俺の言っていたことがあった、という話をしだしたり、またはこれを読んでいた読者が、あの人の予想していたことが当たった、という流れになる可能性があるのではないでしょうか。
ある種の騙しであるこうした行為はどうかというのが正直な感想です。
以上の理由から、今後はこの著者の本を紹介するのを控えようかと思います。