おのぼり物語(著:カラスヤサトシ)
「おのぼり物語」(著:カラスヤサトシ)を読みました。
以前紹介した漫画名『カラスヤサトシ(著:カラスヤサトシ)』による、上京当時を綴ったエッセイ風漫画となっています。
あえて「風」と書いたのは、あとがきにて、そのように捉えて読んでもらえたらという主旨のことが書かれていたためです。
さて、内容はと言いますと、大阪から漫画を描くために上京してきた話や、上京したものの、とくに仕事にありつけるわけなく日々を暮らす状態などを綴っています。
これだけですと、単なる上京物語ですが、最後の方になって、親族に不幸が訪れる辺りから話が一変します。また、そのあたりから、著者自身も成功に向けて歩みだしたような、そのように受け止められます。
世の中の多くの人は、地方から東京方面へ上京し、仕事にありつくようなことも多いかと思います。そうした中で、地元との違いから、何かと精神的にも疲れることが多いのではないでしょうか。
そういう時に、今回紹介した本を読むと、いろいろと思うところがあるでしょう。
上京組の人は、すでに何年も東京方面で過ごしている人も含め、一読してもらえたらと思います。
久しぶりに涙が出てきた作品でした。
それにしても、カラスヤサトシの方では外道な人として描かれているT田氏ですが、この本で見ると、ちょっといい人物のように感じてなりません。