大市民日記(著:柳沢きみお)

大市民 全10巻』『大市民2 全2巻』『THE大市民 全5巻』と続いてきた大市民シリーズの最新バージョンが今回紹介する「大市民日記」です。

この大市民日記になって一気に質の低下が起きた印象があります。

話す内容が同じになることが多く。

特にブタエモン(旧ライブドアの社長)をけなすことが多すぎ、失笑すること多数。あまりにもしつこいので、逆に最後の方では笑えるようになりましたが。

また、キャラクターの掛け合いがほとんどなくなり、主人公の山形鐘一郎が一人で語っていることが多く。絵もなくなり、コマに文字だけのところも多数出現し、漫画としての意味がかなり薄まってしまっています。

もうただのアルコール中毒者にしかみえない状況のため、以前の作品での主人公の魅力が乏しくなっているのも悲しいところ。

アルコールを飲んだ後の行動として『とどめは明りを全て消して瞑想に入ったり、ずっと一人言を言っていたり』という話があるのですが、なんだか単なる危ない人になり下がってしまっています。

それでも、この漫画を読むと異様に腹が空くという、食に関する部分についてはお見事といったところでしょうか。

「大市民日記」を読むと駅そばが食べたくなって困ります。

「大市民日記」なら、まだ書店でも買えるのですが、どうせ読むのなら初代の「大市民」から読み進めてもらいたいものです。日記から読むと、あまり面白い漫画と思えませんので。